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中国、砂糖の1日の摂取目標「25グラム以下」と定める −「健康中国行動」−

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最終更新日:2019年7月25日

 中国国務院(内閣に相当する行政機関)は7月15日、疾病予防・健康増進の推進に資する施策の指針となる『健康中国行動(2019〜2030年)』(以下「行動計画」という)を公表し、健康寿命(注1)を延ばすために必要な取り組みと、達成すべき目標を示した。
 同院が行動計画を策定した背景には、急速な都市化、高齢化の進行に伴う国民の暮らしと食生活の変化がある。同院の発表によると、中国では1日に必要なカロリーを満足に摂取することができない低栄養人口の割合が漸減する一方、喫煙、飲酒、運動不足などに伴う健康上のリスクへの認識・関心の低さによって糖尿病やがんなどの非感染性疾患による死亡が著しく増大しているとされる。このため、公衆衛生をめぐる施策を、これまでの栄養状態の改善や衛生水準の向上を中心とする活動から健康増進へと重点を移し、国民の健康に対する価値観を根本から転換させることが急務となっている(注2)

 行動計画の中の食生活の改善に関する項目では、減塩、低脂肪、低糖質な食事を実践して、口腔の健康、適正な体重、健康的な体型を維持する「三減三健」という概念が提唱されている。
 これを具現化するために、砂糖については1日当たりの摂取目標を25グラム以下(現在の1日当たりの摂取量は30グラム)と定めた。また、6〜17歳の子どもの肥満率(注3)が10年前と比べ3倍に増加している状況などに鑑み、政府が行う措置として、子どもの砂糖の適正摂取に向けたガイドラインの策定▽砂糖から低カロリー甘味料への切り替えを行う食品メーカーへの支援▽砂糖含有量を1日の摂取目標量に占める割合で表示するなどの食品表示ルールの見直し−などが明記された。

 中国は、景気が好調なことなどを背景に砂糖の消費量が右肩上がりで推移し、世界の砂糖需要をけん引する存在となっている(図1、図2)。しかし、今回の行動計画に基づく施策が本格的に実施されれば、数年以内に中国の砂糖消費は減少局面に入る可能性があり、世界の砂糖需給に少なからず影響を及ぼすことも懸念される。

(注1) 中国国務院によると、2016年時点での中国の平均寿命は76.7歳、健康寿命は68.7歳である。なお、健康寿命とは世界保健機関(WHO)が提唱した概念で、「健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間」のこと。
(注2) 例えば、中国ではふくよかなほど「福」があるという考えや、経済的に恵まれた人とみなす考えが未だに根強いとされる。なお、中国政府の2012年の調査によると、中国人の約10人に1人が「肥満」とされ、肥満問題は深刻化しつつある。
(注3) 肥満率の指標は、[体重(kg)]÷[身長(m)の2乗]で算出されるボディマス指数(BMI)を用いている。ただし、WHOはBMIが25以上を「過体重」、30以上を「肥満」としているが、中国では中国人の体型などを考慮し、24以上を「過体重」、28以上を「肥満」としている。
図1 中国の砂糖消費量の推移
図2 国別地域別の砂糖輸入量
【坂上 大樹 令和元年7月25日発】
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:国際調査グループ)
Tel:03-3583-4396



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