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欧州委員会、EU27農業大臣による共同声明を受け、新型コロナウイルスの追加対策案を発表。4月末までの採択を目指す

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<追加対策案>

 欧州委員会は4月22日、前例のない新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響により、大きな打撃を受けている欧州連合(EU)の農産物および食品部門を支援するため、追加対策となる例外的措置案を発表した。4月末までの採択を目指す。

 欧州委員会のヤヌシュ・ボイチェホフスキ農業・農村開発担当委員はプレスリリースの中で、農産物および食品分野におけるCOVID-19の脅威はますます強まっているとし、すでに措置したCOVID-19対策に加えて、「迅速な行動を取る」とした。また、提案する例外的措置について、「市場の安定に向けたシグナルを送ることを意図したものであり、将来の価格と生産の安定、ひいては安定した食料供給と食料安全保障を提供するために最も適切なもの」とし、「市場の不安を解消し、速やかに具体的な結果が出てくるものと確信している」とした。

 今回発表された例外的措置案は以下のとおり。

○民間在庫補助(Private Storage Aid:PSA)
 乳製品(脱脂粉乳、バター、チーズ)および食肉(牛肉、羊肉、山羊肉)を対象とする民間在庫補助の発動。これにより、最低2〜3カ月、最長5〜6カ月の期間、該当製品を市場から一時的に隔離することができる。この措置により市場供給量が減少し、長期的に市場を再均衡させる。

○柔軟な市場支援事業等の運用
 ワイン、青果物、オリーブオイル、養蜂を対象とした市場支援事業、および牛乳・乳製品、青果物を対象とした学校給食事業を柔軟に運用する。これにより、加盟国ごとにあらゆる部門の危機管理措置に向け、資金調達の優先順位の変更が可能となる。

○EU競争法の適用除外
 生乳、花き、ばれいしょを対象に、共通市場組織(Common Markets Organisation:CMO)規則第222条に基づく競争法の一部適用除外を認め、事業者が自ら共同で、市場安定対策をとることができるようになる。具体例として、生乳部門が共同で生乳生産を計画することができ、花きおよびばれいしょ部門は共同で市場から製品を撤去することができる。民間事業者による共同保管も認められる。これによる合意や決定は、最長でも6カ月間のみ有効。消費者価格の動向は、悪影響を避けるために注意深く監視される。

 欧州委員会は、4月末までの採択を目指して加盟国に諮ることとしており、内容変更には引き続き留意が必要である。関係者によれば、PSAについては(生乳換算ベースではなく)製品ベースで乳製品33万トン、食肉6万1千トンが対象となる見込みであるが、保管期間などこれらの詳細は最終的な採択時に明らかになる。一方で採択を見据え業界団体は、適用対象などのガイドライン公表を開始している。

 今回発表された追加対策は、国家補助の増額、前払金の増額、補助金申請期限の延長などの、欧州委員会がCOVID-19対策として早期に採決した包括的な対策に続くものとなっている。

【これまでに公表された対策】

<共同声明>

 EU加盟の全27カ国の農業大臣は欧州委員会による追加対策案発表の5日前の4月17日、COVID-19による危機に対応すべく、EU共通農業政策(CAP)に基づくEUレベルでの必要な措置がなされるよう、欧州委員会に対し共同声明を提出していた。

 共同声明では、公衆衛生上の緊急事態において人々の命と健康が優先すること、危機的状況下における欧州の食料安全保障と食料供給維持のため、生産者と各種農業・食品部門およびこれらに関するCAPの基本的な枠組みが果たす役割が極めて重要であること、将来にはより強力なCAPが必要となることを強調した。

 その上で、すべてのEU加盟国に対し連帯と協力を呼びかけ、COVID-19が農業・食品市場に与えたこれまでにない影響に留意しつつ、欧州の生産者、食品産業、農村経済にとって中長期的な影響は深刻かつ長期にわたる可能性を慎重に見据えているとした。

 また、すでに欧州委員会が措置した暫定的な国家補助の緩和の枠組みや、国境管理および労働者の自由な移動のためのガイドライン、経済対策であるコロナウイルス対策投資イニシアチブの2つのパッケージ、CAPに関するいくつかの柔軟な対応などこれまでの対策を評価する一方、CAPの下で緊急かつ適切で責任ある措置を追加的に実施する必要性を熟慮しており、加盟国の農業大臣として、欧州委員会に以下の点を促進するよう要請するとした。

・PSAを含むCAPの市場関連制度であるCMO規則に基づく措置の実施。市場の大きな混乱と価格への影響がある部門を守るため、CMO規制第219条・第221条(例外的措置)に基づく生産者に対する支援

・必要に応じてCMO規則に基づく追加措置を講じることができるよう、継続的なあらゆる部門の検査、監視

・CAPの2つの柱(価格・所得政策および農村振興政策)の下、加盟国のさらなる柔軟な対応の即時拡大。具体的には、補助金の早期支払い、すでに措置された前払金(率)の増額、その他農村振興における特定措置の実施や管理システムの有効性を下げない範囲での現地確認や行政手続きの緩和

・強力かつ協調的な欧州の対応の継続。具体的には、COVID-19対応において、欧州の生産者および各種農業・食品部門が極めて重要な役割を果たしていることと同時に、この困難な局面及び将来において、食料安全保障、環境保護、活気ある農村地域の支援のためCAPの強化が必要であることを示していくこと

・欧州の生産者がCOVID-19の危機に加えて、気候変動や生物多様性の損失を含むその他の現在および将来の課題に備えること

【参考:新型コロナウイルス関連情報(EU)】
【調査情報部 令和2年4月30日発】
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:国際調査グループ)
Tel:03-3583-8527



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