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米国農務省による世界のトウモロコシ・大豆需給予測(2020年9月)

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2020/21年度の世界トウモロコシ期末在庫量、前回予測より下方修正し前年度割れ

 米国農務省海外農業局(USDA/FAS)は2020年9月11日、「Grain:World Markets and Trade」において、2020/21年度の世界のトウモロコシ需給予測値を更新した。
 これによると、2020/21年度の世界のトウモロコシ生産量は、高い国内市場価格を背景に作付面積の拡大が期待されるブラジルが300万トン上方修正される一方、前回上方修正された米国が単収の減少などにより前回より962万トン、ルーマニアで干ばつにより単収が減少するEUが150万トン、また、南部地域で乾燥・高温気候により単収の減少が見込まれるウクライナが100万トンそれぞれ下方修正されるなど全体で865万トン下方修正され、前年度比4.5%増の11億6238万トンと見込まれている(表1)。国別で見ると、下方修正されたとはいえ米国は、同9.4%増とかなりの程度増加し豊作となるとともに、ブラジル(同7.8%増)、ウクライナ(同7.3%増)も、記録的に大きな生産量になると見込まれている。
 輸出量は、米国のほか生産量の見直しで増加するブラジルが上方修正される一方、生産量の見直しで減少するEU、ウクライナ、ロシアが下方修正され、全体で33万トンとわずかに上方修正され、同5.6%増の1億8497万トンと見込まれている。一方、輸入量は、ベネズエラが30万トン上方修正された。
 消費量は、堅調な食肉需要を背景に飼料利用が増加するブラジルやASF(アフリカ豚熱)からの回復が進み豚の飼料利用が増加する中国が、それぞれ200万トン上方修正される一方、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)からの回復が遅れエタノール利用が減少する米国が508万トン下方修正されるなど全体で13万トンとわずかに下方修正され、同3.6%増の11億6474万トンと見込まれている。この結果、今回は、消費量が生産量を236万トン上回ることとなった。なお、2019/20年度(推計値)において、前回より中国が300万トン上方修正され、全体で303万トン上方修正された。
 期末在庫は、生産量が引き下げられる米国、消費量が引き上げられる中国が下方修正されるなど、全体で1067万トン下方修正された結果、同0.8%減の3億679万トンと前年割れに転じると見込まれている。
表1

2020/21年度の世界の大豆期末在庫量、米国などで下方修正

 USDA/FASは2020年9月11日、「Oilseeds:World Markets and Trade」において、2020/21年度の世界の大豆需給予測値を更新した。
 これによると、2020/21年度の世界の大豆生産量は、気象条件の悪化による単収の減少により米国が前回より305万トン、またウクライナが下方修正される一方、国内市場価格が高く、レアル安により価格競争力が高いことを背景に作付面積が増加するブラジルが前回より200万トン、またカナダ、インドが上方修正された。全体では66万トンとわずかに下方修正されたものの、前年度比9.6%増の3億6974万トンとかなりの程度増加すると見込まれている(表2)。国別で見ると、米国は、今回下方修正されたものの悪天候により不作となった2019/20年度から作付面積、単収とも回復し同21.4%増と大幅に増加し、最大の生産国であるブラジルは同5.6%増と2年連続で増加すると見込まれている。
 輸出量は、生産量が増加するブラジルをはじめ全体で前回より85万トンとわずかに上方修正され、同0.3%増の1億6634万トンと見込まれている。国別では、ブラジルやアルゼンチンが前年度を下回る一方、生産量の増加する米国が同26.5%増と大幅に上回ると見込まれている。輸入量は、全体で75万トン上方修正され、同0.2%減の1億6325万トンと見込まれている。
 消費量(搾油仕向量)は、大きな変化はなくブラジルが50万トン上方修正される一方、アルゼンチンが100万トン下方修正され、全体で72万トンとわずかに上方修正され、同4.2%増の3億2080万トンと見込まれている。
 期末在庫は、生産量が引き下げられる米国が407万トン下方修正される一方、消費量が引き下げられるアルゼンチンが170万トン上方修正されるなど全体で177万トン下方修正され、同2.5%減の9359万トンと見込まれている。
表2

2020/21年度の米国トウモロコシ生産量、気象条件の悪化により下方修正

 米国農務省世界農業観測ボード(USDA/WAOB)は2020年9月11日、2020/21年度(9月〜翌8月)の米国の主要農作物需給予測値を更新した。このうち、米国のトウモロコシ需給見通しは、次の通りである。
 生産量は、7月の気象条件が比較的良好であったものの、その後の継続的な高温、乾燥気候に加え、8月に生産地域で暴風が発生したことから、単収が1エーカー当たり178.5ブッシェル(4.5トン(注))と前回より3.3ブッシェル(0.1トン)、また収穫面積が50万エーカー下方修正された結果、3億7800万ブッシェル(962万トン)下方修正され、前年度比9.4%増の149億ブッシェル(3億7847万トン)が見込まれている(表3)。これは、これまでの統計で最も大きかった2016/17年度の151億4800万ブッシェル(3億8477万トン)をわずかに下回る水準となっている。
 消費量は、ガソリン需要の回復が遅れるためエタノール向けが減少することや生産者平均販売価格の上昇により飼料等向けが減少することから2億ブッシェル(508万トン)下方修正され、同4.1%増の123億5000万ブッシェル(3億1370万トン)と見込まれている。
 輸出量は、新たに大口の販売があることから1億ブッシェル(254万トン)上方修正され、同31.7%増の23億2500万ブッシェル(5906万トン)と大幅な増加が見込まれている。
 期末在庫は、総供給量の減少が総消費量の減少より大きいことから前回より2億5300万ブッシェル(643万トン)下方修正されたものの、同11.1%増の25億300万ブッシェル(6358万トン)と依然としてかなり大きい増加が見込まれている。この結果、期末在庫率(総消費量に対する期末在庫量)は、17.1%と前回より低下するものの前年度より0.6ポイント増加すると見込まれている。
 また、生産者平均販売価格は、生産量が下方修正されたことやシーズンの早い段階での販売が好調であることから1ブッシェル当たり3.50米ドル(1キログラム当たり14.6円:1米ドル=106円)と前回より0.40米ドル(同1.7円)上方修正されたが、依然前年度の水準より安価である。
 なお、2020年9月21日のUSDAの公表によると、主要18州の収穫進捗率は8%で、前年同期を2ポイント上回り、過去5年平均を2ポイント下回っている。
(注)1ブッシェルを25.401キログラムとしてALICが換算。

表3
【井田 俊二 令和2年9月25日発】
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 国際調査グループ (担当:井田 俊二)
Tel:03-3583-9532



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