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農産物・食品飲料団体ら、英EU・FTAの質の高い合意のほか、BREXIT調整準備金の活用も求める(EU)

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 欧州連合(EU)最大の農業生産者団体である欧州農業組織委員会・欧州農業協同組合委員会(COPA-COGECA)(注1)、欧州食品飲料産業連盟(Food Drink Europe)(注2)、欧州農産品貿易連絡委員会(CELCAA)(注3)の三者は連名で9月24日、英EU・自由貿易協定(FTA)交渉が合意できなければ、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大で苦しんでいる農家、農産品・食品事業者、貿易業者にとって、壊滅的な結果をもたらすことになると表明した。

 三者は、2019年には貿易額が580億ユーロ(7兆3660億円、1ユーロ:127円)となったEUと英国の貿易に役立ち、ビジネスと雇用を支援するための解決法を見出だすよう求めるとともに、EUと英国の間の公平な競争と、EU側の単一市場の完全維持を追求しなければならないとしている。

 海を挟んだ英国とEU間の農産品・食品事業者は、2021年1月1日以降の動植物検疫、食品と飼料管理に関する英国の規制制度や、EUの輸出に影響を与えるさらなる要件が見極められない状況に置かれており、移行期間の終了まで4カ月を切った今もなお、質の高いFTAに合意することを期待している。しかしながら、迫り来る困難を考え、50億ユーロ(6350億円)のBREXIT調整準備金(注4)を、農産品・食品部門のために迅速に活用できるようにすることも求めている。

 英国側は、9月7日に英EU・FTA交渉に関する声明を発表し、EUとの交渉期限を10月15日までとする一方、欧州側は第8回目の交渉後の声明で、EUは英国の主権を尊重した解決策を見つける柔軟性を示してきたとしている。しかし欧州側は、重視する分野で大きく意見が異なっており、英国が、「公平な競争条件の確保」について拒絶し、「社会、環境、労働、気候に関する規制の維持」について確約を得られていないなど、主要な問題点について取り組んでいないとした上で、2021年1月1日に想定しうるすべての状況に備えるための準備作業を強化しているとも述べている。

(注1)欧州農業組織委員会・欧州農業協同組合委員会(COPA-COGECA)とは、EU加盟国の2300万人以上の農業生産者によって構成されるCopa(欧州農業組織委員会)および2万2000の農業共同組合により構成されるCogeca(欧州農業協同組合委員会)により組織されたEU最大の農業生産者団体。CopaおよびCogecaは、独立した組織であるものの、両者は共同で事務局を設置し、主にロビー活動を行っている。

(注2)欧州食品飲料産業連盟(Food Drink Europe)とは、EU加盟国の29万4000社の事業者と470万人の労働者で構成されるEU最大の食品製造業団体。取引量はEU全農産物の70%を占める。

(注3)欧州農産品貿易連絡委員会(CELCAA)とは、EU加盟国の3万5000社の農産物貿易事業者で構成されるEU団体。穀物、飼料、砂糖、ワイン、食肉、乳製品、青果物、卵、香辛料、切り花などの農産物を対象としている。

(注4)欧州理事会で2020年7月21日、EUの次期中期予算計画である2021年〜27年の多年次財政枠組み(MFF)に併せてMFFの枠外で合意された、英国のEU離脱により不測の悪影響を受けた加盟国や分野に対処するための準備金。詳細は今後欧州委員会において検討されることとなっている。
【小林 智也 令和2年10月1日発】
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:国際調査グループ)
Tel:03-3583-8527



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