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細胞培養肉等に関する表示に関し、食肉関係団体が書簡を発出(米国)

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 2020年10月19日、北米食肉協会(NAMI)(注1)と食肉・水産物の革新同盟(AMPS Innovation)(注2)は、細胞培養肉等に関し、透明性、消費者の信頼、公平な競争の確保に資するとともに、既存の法律や政策に沿ったラベル表示の枠組みを求め、米国農務省(USDA)の食品安全担当のミンディ・ブラシアーズ次官に書簡を発出した。

(注1)食肉・家きん肉業界を代表する団体であり、食肉加工企業や加工処理用機器製造企業などが加入している。NAMI会員は米国の牛肉、豚肉、羊肉、家きん肉の大部分を加工処理している。
(注2)細胞培養に基づく食肉や水産物の開発を行っている企業7社からなる同盟。業界の透明性確保と更なる発展を目指し、政策立案など必要な取り組みに協力することを目的に活動している。参加企業:メンフィス・ミーツ社、ジャスト社、ニュー・エイジ・ミーツ社、ブルー・ナルー社、フィンレス・フーズ社、アルテミス・フーズ社、フォーク&グッド社の7社

 本年10月19日〜21日には、米国で細胞培養由来食品に関する会合がバーチャル上で開催され、細胞培養由来食品の開発に取り組む企業が各種の講演を行った。その中で、多くの企業が既に試作品を開発しており、試食なども行っていることが発表されていた。また、細胞培養由来食品の開発に取り組む企業の中には規制環境が整えば、すぐにでも商品を投入することが可能であるという趣旨も述べられていた。

 ―書簡の内容(抜粋)―
 今後、栄養価の高いタンパク質としての食肉および水産物に対する需要が増加するにつれて、生産性を向上し、サプライチェーンをより多様化させることがこれまで以上に重要となる。このためには、革新的な技術を用いた解決策とともに、科学的根拠に基づき、食品の生産手段に関する新たなアプローチや消費者に多様な選択肢の提供が可能となるような、明確な規制が必要である。革新的な技術を用いた解決策の一つが細胞培養技術であり、細胞培養企業は消費者に食肉および水産物について新たな選択肢を提供し、既に市場に流通している従来の商品を補完することを可能としている。
 現在、細胞培養技術を利用した食品はまだ米国市場に投入されていないものの、提供が開始される時期は目前に迫っており、当該食品に適用される規制、特にラベル表示要件に大きな関心が集まっている。
 細胞培養技術を用いて食品の開発を行っている企業は、ラベル表示により誤解を招くことなく、細胞培養技術を利用した食品が軽んじられることなく、消費者による当該商品の判別が容易となり、商品の安全性や栄養面の表示が適切に行われるとの原則が実現されることを前提に、そのラベル表示に関する規制を順守することを約束する。
 関係者は共同宣言(注3)に基づいて、USDAの食品安全検査局(FSIS)が、細胞培養由来の食肉製品のラベル表示に関する規制を行い、製品のラベル表示や表示内容については、FSISと米国食品医薬品局(FDA)と協力して規制すると理解している。また、本年10月7日に、FDAは細胞培養由来の食肉及び水産物の表示に関する情報提供依頼(Request for Information)を発出した。その中でFDAは、依頼によって得られた情報やデータを用い、これらの食品について適切なラベル表示を行うために、どのような措置が必要かを判断するとしている。

(注3)FSISとFDAは2019年3月7日に共同で「家畜および家きん細胞株由来の細胞培養食品規制のための正式協定(Formal Agreement to Regulate Cell-cultured Food Products from Cell Lines of Livestock and Poultry)」を公表し、家畜と家きんの細胞株由来の細胞培養新技術を使った食品に関するFSISとFDAそれぞれの監督の役割および責任を明らかにすると同時に、当該商品の開発と商取引への参入を規制するための両当局の協働体制を示した。

 歴史的に、新しい方法や技術を用いて開発された食品のラベル表示を評価する際、FSIS と FDA は食品製造過程よりも、最終製品の特徴に焦点を当ててきた。また、新たに開発された食品の最終的な特徴が従来の食品と大きく異なる場合、FSISとFDAは、新たに開発された食品の物質的な相違に関するラベル表示を求めてきた。
 細胞培養由来の食肉製品に関しては、いくつかの生産方法が存在し、それらの生産方法によっては、最終的な食品の特徴が従来の食品と異なる場合がある。そのため、我々は、細胞培養由来の食肉製品については、商品の最終的な特徴に関するより多くの情報や裏付けとなるデータを収集するために、法案の事前公告(ANPR)(注4)を行うことを推奨したい。

(注4)連邦当局が規制法案を検討中であることを事前に通知することであり、連邦官報に掲載される。当局は詳細な規制法案を作成する前に、大枠の規制法案について公表し、議論が必要な問題点や意見に関するパブリックコメントを募集する。当局が規制法案を作成する前に、通常よりも多くの情報収集が必要であると判断した場合のみ実施される。

 我々は、規制法案の作成には時間がかかることを認識している。しかし、FSISによる規制法案作成が完了する前に、細胞培養由来の食肉製品が市場に出回る可能性があり、その可能性は高まっている。FSISによって規制を受けている製品については、FSISによる事前のラベル表示審査の対象であり、表示の内容は十分に検証されるべきである。
 FSISとFDAは、タンパク質生産と科学的根拠に基づいた食品技術革新において、世界のリーダーとしての我が国の役割を認識しており、他の国々が細胞培養由来食品の規制や基準を検討している中で、米国政府が主導的役割を引き続き果たしていくことは非常に重要である。
(書簡内容の紹介終り)
【調査情報部 令和2年11月5日発】
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:国際調査グループ)
Tel:03-3583-4397



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