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英国及びEUの生鮮青果物団体、植物検疫証明書導入に対する懸念を表明

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最終更新日:2021年3月3日

 EUと英国における生鮮野菜・果物のサプライチェーンを代表する団体である欧州生鮮青果物協会(Freshfel Europe)と英国生鮮青果物協議会(Fresh Produce Consortium)は2月16日、4月1日から導入される植物検疫証明書の導入に対する懸念を記した書簡をマイケル・ゴーブ英国内閣府大臣に送付した。
 
 英国のEU離脱は、英国内の生鮮食品需要の40%以上に相当する約300万トンを輸出しているEU産生鮮青果物の輸出に多大な困難をもたらしている。青果物部門は、すでに新たな国境管理、税関手続き等に対応するため、少なくとも年間5500万ユーロ(70億4000万円、1ユーロ:128円)の追加コストに直面している(注1)。4月1日以降は、75万通以上の植物検疫証明書の発行と公的検査のコストが新たに追加され、消費期限がきわめて短い生鮮青果物の「ジャストインタイム(注2)」物流継続能力を阻害するおそれがあるとしている。

注1:海外情報「BREXITによるEUの生鮮食品部門に対するコスト増は5500万ユーロと推計(EU)」を参照されたい。
注2:いわゆるトヨタ生産方式の一部を構成する概念として知られており、物流で用いられる場合、必要なものを、必要な時に、必要な量だけ配送する物流システムを意味する。

 大臣に宛てた書簡の中で、両団体は、EUから英国への生鮮青果物の輸出量の4分の3超に相当する約250万トンについて植物検疫証明書が必要とされると主張している。これは、生鮮青果物の貿易のために少なくとも毎年75万通の証明書が発行されなくてはならないことを意味するため、青果物部門及び行政にとって非常に困難な作業となるとしている。リンゴのような大きなロットでの輸出では、トラック1台につき1通の証明書の発行となる一方で、大部分の貿易は、小規模な消費者や卸売業者の委託によって行われるため、トラック1台につき10個以上の荷口が混載され、それぞれ証明書が必要となることも多い。その結果、植物検疫証明書の発行が輸出入の障害となり、注文毎に遅延が生じ、輸出入に必要とされる時間が長くなることによる品質低下や食品ロスをもたらすとしている。これにより、すでに新型コロナウイルス感染症(COVID−19)の影響を受けている青果物部門にさらなるコストが追加されることになるとしている。

 欧州生鮮青果物協会と英国生鮮青果物協議会は、40年間の自由貿易の経験から、英EU間の生鮮青果物の貿易によるリスクが非常に低いという事実を考慮して、植物検疫証明書の発行を免除することを求めている。欧州生鮮青果物協会は、「私たちは、40年間にわたって、自由で安全な貿易を行ってきており、生鮮青果物の貿易における植物防疫上のリスクが限られていることや英国とEUの植物防疫法制が少なくとも中期的にはほぼ同一であるという現実を反映して、植物検疫証明書の発行を免除することを考慮するよう求めている。」と強調した。また、英国生鮮青果物協議会は、「電子証明書が導入されるまで、EUからの輸入品に関して植物検疫証明書の導入を延期することが、生鮮青果物の供給を維持するために最低限必要なことである」としている。

【令和3年3月3日 小林 智也 発】
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:小林 智也)
Tel:03-3583-8527



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