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沖縄蔗作研究協会(機械化委員会)・沖縄農業研究会合同シンポジウムの開催について

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最終更新日:2018年10月12日

那覇事務所 佐藤 哲史
 9月20日(木)、沖縄県農業研究センター(沖縄県糸満市)において、「将来を見据えたサトウキビのスマート農業の可能性」をテーマに、沖縄蔗作研究協会(機械化委員会)及び沖縄農業研究会の共催による合同シンポジウムが開催された。
 
 沖縄蔗作研究協会(機械化委員会)及び沖縄農業研究会では、沖縄県の農業の発展、向上を目的に、それぞれさとうきびの機械化に関する検討及び沖縄農業の調査研究結に関する機関誌の発行、研究発表会・講演会の開催等を行っている。
 
シンポジウムの様子(1)
シンポジウムの様子(1)
 シンポジウムには、沖縄県内の糖業関係者を中心に約130名が出席し、初めに農林水産省大臣官房政策課技術政策室課長補佐の角張徹氏が「スマート農業に関する取組の現状」と題して基調講演を行った。
 講演では、自動走行システムを搭載した農業機械の活用による省力化の事例や、土地、気象データ等様々な情報の連携・共有・提供機能を有するプラットフォームを構築し、それらを生産性向上や経営改善に生かす取組等が報告された。
 また、角張氏は、農林水産省として、これまで個々に開発されてきた技術を体系的に組み立てて、生産から出荷まで一気通貫で現場実証する取組を推進することで、現場への普及を着実に行っていきたいとした。
 
  ※スマート農業・・・ロボット技術やICTを活用して、超省力・高品質生産を実現する新たな農業。
 
 次に、沖縄県内のさとうきび生産におけるスマート農業の現状や今後の展開等について、「機械化とスマート化:現状と課題」及び「ドローンの現状と今後の展望」をテーマに以下のとおり各機関から報告があった。

機械化とスマート化:現状と課題

1)サトウキビ機械化の現状と課題
 南部農業改良普及センター 新里良章氏
 高齢化や担い手不足が深刻になる中、機械作業等で地域の生産を支える生産法人や受託組織の経営を安定化することが重要であり、経営の安定化に向け、機械作業の労働時間や燃料消費量のシミュレーションによる把握、省エネ機械化技術の確立の必要性を述べた。

 
2)植付け作業へのGPSガイダンス利用-アナログなGISの活用事例-
 大東糖業株式会社(アグリサポート南大東株式会社) 福澤康典氏
 同社はGPSとGISによる自動操舵システム1式を導入し、これを装着したトラクタで植付圃場に苗の植付位置の目印となる線を正確に引くことで位置情報が“見える化”され、オペレータの作業負担軽減や必要な苗の量の正確な把握や防除・管理作業等に役立てている。現在、保有している自動操舵システムは1式だけとなっているが、導入コストが高いこと等を課題としている。
 
3)GNSSガイダンス(自動操舵農機)の紹介
 株式会社くみき 玉城豊氏
 農機等の販売、修理を行う同社は、GNSS(測位のための衛星システム)による自動操舵システムを搭載した農機での植付作業や刈取作業について紹介した。同システムによって、オペレータの技量に左右されず高精度の作業が実現することや、課題として導入コストが高いこと等を挙げた。
 

ドローンの現状と今後の展望

1)収量と糖度のモニタリング
 琉球大学農学部 平良英三氏
 ドローンで撮影した圃場の画像を解析し、NDVI(植物の活性度を示す指標)から圃場の糖度や単収を推測する技術を報告した。ドローンでの撮影は風や太陽光の影響を受けやすく正確な分析ができない場合もあるが、サンプリングに比べ簡単に糖度や単収を推定する方法として期待されている。
 
2)育種・生育評価への利用
 国立研究開発法人 農研機構 九州沖縄農業研究センター 深見公一郎氏、沖縄県農業研究センター 伊禮信氏
 ドローンで撮影したDSM(3次元空撮画像)やNDVI(植物の活性度を示す指標)から、発芽率の推定、生育状況の把握、倒伏程度を定量化する研究を報告した。昨今の試験研究は極めて多くのデータ集積が必要であり、労力をかけずに多量の情報を得られるドローンは育種研究においても有効性が高いとしている。
 
3)圃場の見える化への利用
 沖縄県土地改良事業団連合会(水土里ネットおきなわ) 福仲正明氏
 フライトプランを記憶させた自動操舵のドローンで撮影した圃場の画像を解析し、圃場の作付状況を把握する技術を報告した。今後は、撮影した圃場がさとうきびであるかを判別する技術や、撮影したデータの集積・提供方法について検討していく必要があるとしている。
 
4)サトウキビ防除への利用模索
 株式会社ヰセキ九州 松本伸二氏
 ドローンによる農薬散布技術を報告した。従来の動力防除機に比べ散布効率が良いため地域全体に効率的な防除が可能であり、傾斜地や小規模圃場等での利用も有効であるとしている。
 
 このほか、日射量や温度、風速などの気象データを集積し効率的な節水灌漑に生かす技術等、今後、普及の見込まれる様々なスマート農業技術の報告があった。
 
シンポジウムの様子(2)
シンポジウムの様子(2)
 最後に、会場の駐車場でドローンによる農薬散布のデモフライトと自動操舵でのトラクタの試験走行が行われた。
ドローンのデモフライトの様子
ドローンのデモフライトの様子
 農家の高齢化や新規就農者の減少により労働力不足が深刻になる中で、今後、今回報告されたような技術がさらに普及し、農作業の省力化や農業生産の維持拡大に繋がることが期待される。
 
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 地方事務所 (担当:那覇事務所)
Tel:098-866-1033

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